テレビで、池上彰さんと美輪明宏さんが対談してた。そのなかで、美輪さんは「人間関係は6分でいい」とおっしゃた。腹6分目でちょうどいい、ということなのですが、・・・
男女の仲も広い意味で、人間関係ですね。
心得ておきたいのは、完璧を求めるな、ということ。
つまり、腹6分目であれ、8分目であれ、相手に完璧を求めないということ。
自分のことを100%わかってほしい、相手のことを100%わかりたい、と思うのですが、育った環境も、受けてきた教育も、お互い違うわけですし、お互いを取り巻く人間関係もまったくちがうわけですから、そういうバックグラウンドが異なる人間と人間が、すべて100%、わかりあおう、というのは無理な話。
違っていてあたりまえ、なんです。その感覚を忘れてはいけないのです。
お互いの理解度は、せいぜい60%、よくできて80%、腹8分目でよし、でいいのです。
美輪さんは、そのほうが、人間関係もうまく運ぶし、もちろん、恋もうまく進みますよ、と言う。
相手にミステリアスな領域が20~40%あるからこそ、相手への興味が尽きない、ということなのかもしれません。
100%分かり合える、というのは幻想です。
それは、LGBTのことにもいえるし、LGBTというのは、性的少数者のことで、それってなんのこと?と分からない人も多いし、むかしは、心の性と身体の性がことなっている人たち、性同一性障害が主流でしたが、いまは、欧米などの影響をうけて、同性愛のことが主流なんです。それで、LGBTというのは、わが国では、その性同一性障害の人とか性別を越境した人たち、同性愛のひとたちを総称したもの、とされています。
それで、ふつう、自分たちのことを100%、わかってもらえるわけがありません。講演会や研修で話して、せいぜい60%の人たちにわかってもらえれば、御の字。わかってくれた人が50%以下ということもあります。そういう場合は、自分たちの伝え方がよくなかったのではないか、むずかしい言葉を使いすぎたのではないか、と反省してみる必要があります。
わたしが、12年前に、心の性と身体の性が異なる性同一性障害なんだ、とカミングアウトしようと思ったとき、「ちひろさん、60%の人がわかってくれたら、いいんだよ」と言ってくれた人がいました。その考えは今もかわっていません。だから、60%の人たちが、わたしのこと、わたしの話すことを、わかってくれたら、いいや、と思って、活動してるんです。
100%なんて、無理無理。人はみんな違うんだもん。
価値観も育ってきたバックグラウンドもなにもかも違うんだから、無理せず、腹6分目、できたら8分目のこころでいいのです。
相手に完璧を求めるのは、タブーなのです。
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